『シン・ゴジラ』に触発されて観る。いや、前にもDVD借りて見たんだけど、例のゴジラ登場シーンの直後動画飛びが発生して全然内容頭に入んなかったんだよね。で、再度観た。
まず思ったのは、『シン・ゴジラ』ってオリジナルに大変誠実なつくりをしていたんだなあ、ということ。この『ゴジラ』は絵面的には東京大空襲の再現になってるんだろうなあ、ってのに対して、『シン・ゴジラ』は東日本大震災を中心に据えてるのよね。こっちの『ゴジラ』で逃げ惑う人々や治療を受ける人が結構ウェットに描写されるのに対し、『シン・ゴジラ』で逃げる市民がドライにカットされているのは、恐らくバックグラウンドに敷いた震災がそのまま影響してるんじゃなかろうかと思う。
あと個人的に収穫だったのが「オキシジェン・デストロイヤー」の立ち位置で、コレって核を超える新たな脅威としての立ち位置だったのね。核はロスアラモスに集まった人類の叡智の結晶……という認知だったので、まさか日本のいち科学者がそれを超える発明をしていた事がこんなにすんなり受けいられる脚本だとは思わなかった。この時代の科学者がどのように描写されたのかも含めて、結構面白い。
あとは映像だなあ。いや、単純に映像的に優れてるってワケじゃないと思うんだけど、凄みがあるというかなんというか……なんだろう、これ。鉄塔の群に踏み込むゴジラとか、もう絶句して見入るしかないよね。モノクロの光と影の中に蠢くゴジラのシルエットとか、やっぱズルいわ。