ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦

なんか……想像していたほど面白くなくてちょっとがっかりしてしまった。過剰な期待だったかなぁ……

クレヨンしんちゃんが戦国時代にやってくることで、この映画には「人殺し」に対する価値観の対立が必然的に埋め込まれる。二つの価値観はそれぞれに正当性を持っており、その対立が映画のストーリーの大きな駆動力となる。
いったいどのようにその対立に決着をつけるのか、ひろしは自分の家族を守るために人を殺せるのか、なんてところを手に汗握って観ていたんだが、結局物語はクレヨンしんちゃんの安全で善意に満ちた世界観をなし崩し的に選択し、戦国時代の厳しさの言い訳であるかのようにあのカタストロフが訪れる。
えー? そんな決着望んでないよ。というか、題材選びの段階でミスしてないか? というのが率直な感想。

「オトナ帝国」の場合は古き良き時代に対するカウンターとしてしんのすけの信じる未来があり、彼は物語の主人公としての役割を充分に果たしていた。
だが、この作品でしんのすけは役割を果たしただろうか? 当時の武士との交流は、無論文句のつけようがないほどほほえましくはあったけれども、戦場でなんの言い訳もなく死んでいくモブたちに対して、何らかの効果を発揮できていたようには思えなかった。