ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

アスカ―麻雀餓狼伝

アスカ―麻雀餓狼伝 (集英社スーパーダッシュ文庫)

アスカ―麻雀餓狼伝 (集英社スーパーダッシュ文庫)

ラノベで麻雀ということでまあとりあえず読まなければならない気がした。最初に思ったよりグイグイ読める小説で一安心。

唯一どうしても引っかかったのは主人公が麻雀に打ち込む動機。そこさえ目を潰れれば全然問題なく楽しめるのだろうけれども、うーん、この小説でそこに目をつむることはできないよなあ、という印象。

主人公が麻雀に入れ込む原因である「祖父との関係性」の描写がお座なりすぎる。
裏社会から抜け堅気の職業に就いた祖父が、なぜ孫に麻雀を教えたのか? そしてその祖父から、主人公は何を学んだのか? その経験が、詰まらない日常を生きていた主人公に、どう働きかけたのか?
そこがしっかり描写されていないから、主人公がなぜ、麻雀にのめり込むのかがわからない。行動原理が示されていない。
だから主人公の行動が、「ただの行き当たりばったり」に思えてしまうんだよなあ。作劇に都合良く「クールにならなきゃダメだ」と自分に言い聞かせ、都合良く「プライドを懸けて戦う!」と嘯き、都合良く「狼は徒党を組んで行動する」と言い訳する。

ああ、オレは麻雀が読みたいんじゃなくて、麻雀を通して主人公の生き様を感じたいんだなあ。


以下雑感
・さくさくテンポで進む闘牌が良い。
・あーうんなるほど、と納得できるところが多々あり、そこら辺についての満足度は高い。
・でも麻雀リテラシーの低いティーンにとってどう見えるんだろうなあ……
・マンガに比べると字の表現は紛れが少なく作意が先行しやすいことがよくわかった。良い悪いは別としてジャンルとしての特色か。