ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

東京ヴァンパイア・ファイナンス

 

東京ヴァンパイア・ファイナンス (電撃文庫)
 

 

ラノベである意味をそんなフィクション部分に求められても困るなあ。しかしラノベの看板を剥いでしまえば教養モノとしては内容が薄いし、かといってドラマ部分もそこまで飛び抜けた部分があるわけではない。だったら伊坂幸太郎読んじゃえよということを言いたいわけじゃないんだけど、でもねえ。
ラストで暴かれる街の闇のシステムと、モンスターになった各人が、噛み合ってるように思えない。「システム」を「個人」に還元してしまうことの意味とその死、モンスターの誕生。そこらへんが有機的に結びつかなければ、カタルシスは生まれないんじゃないのか。
各個人の物語に視点を下げても、おのおのの物語に何かの決着がついたとは到底言いづらく、裏切りはただ読者を裏切っただけでそれ以上の意味をなさない。それぞれの設定やアイディアは悪くないし、絡ませ方も部分的には悪くないんだけど。こういう構成でこういうテーマを扱うことに対して、配慮が足りないんじゃないか。自分の読み落とし?