ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ミュータント・タートルズ

 

ミュータント・タートルズ (字幕版)
 

カワバンゴ! じゃねーよ。ひどい映画だなあ。いやここでストーリーのダメさをあげようとすればいくらでもあげられるんだけど、主に子ども向けってことで免責しちゃおうって魂胆でしょうか? 子ども向けなら地下に偶然忍術教本が落ちていてもOK? 本気で?

いやまあ仮に子ども向けにしたところで、キャラデザというか3Dの表現がリアル過ぎて怖いと思いますけどね亀。っつーかアレ人間とまともに馴染ませようとしたら人がだいぶ浮くよね。映画自体も生の人間とタートルズが一緒に映るカットを極力避けているように思えたし。

あと3Dがメインになるからこそできるブン回しカメラはこの映画の武器として長回し目だったりで随所を盛り上げているはずだけれども、なんかどうでもいいのは一体どういうことだろうか? 肉体のアクションでないのが丸わかりの映像には共感できないってこと? それともアレだけ激しく視点移動しながらも正確に対象を追いかけ捉え続けるカメラがなんかこうしっくり来ないって感じなのだろーか? うーん、あのアクションの超どうでも良さは、ストーリーだけじゃなくて映像技法そのものに関係している気がするんだよなあ。

それにしても、全体的にテンポたるくありません? ちょっと気が利いている、ってエピソードの切れ味がいちいち鈍くて、「うーん」と冷めてしまったのが正直なところ。あんなどうでもよく新車を破壊するセンスの酷さよ。エレベーターのラップシーンだけが飛び抜けて良かったのがマジで謎。

ジム・ガフィガンの趣味: 食べること

www.netflix.com

Netflixで映画だと思って視聴したら、舞台をほぼまるっと流しただけの内容で大いにガッカリする。コレ映画なのか映画じゃないのかそもそもわからん。っていうか映画の括りはどこからどこまでなのか。よーわからんけど、まあやっぱり映画という括りで期待してしまう一定の映像クオリティみたいなのはあるわけで、それを考えるとNetflixオリジナルみたいな作品にはあんまり触手が動かない。最近はNetflixオリジナル作品がバンバン増えてきて、正直な所あんまり面白くは思っていないのである。

というかねえ、ジム・ガフィガンが誰かもよくわからないし、なんでそんなに食べることにこだわっているかの説明もない一見さんお断りだし、話術もまあうまいなあとは思うけど自分は全然面白くないし、そもそもこのショーがどんな状況で行われているのかもあんまりわかんないし、いやー、何だったんだこの時間はという感じ。話術の巧みさを追いかけるだけでも興味を持続させられたのが幸いか。というか全然笑わないのにちゃんと最後まで集中して話を聞き続けられたっていうのも逆にすごいのかもしれないけど。

まあとにかく、映画は映画でマイリスに入れるときはっきりわかるようにして欲しい。それとも映画という表現の括りがテキトーすぎるのかしら。Netflixが映画祭から追い出されたりする時代らしいからなあ。

 

GO

 

GO [DVD]

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あーこれ宮藤官九郎脚本だったのね。自分ドラマは見ないもんで全然気にかけてなかったわ。評判が良いのは知ってたけど、いやー道理で。

とは言いながらもOPでいきなりずっこけたというのが正直なところ。宮藤官九郎の映画って普通の映画脚本とはリアリティが違うので、その独特の世界観を映画というフォーマットに落とし込むのに苦労するよねえ。この映画もOPの早回しでその空気をなんとか表現しようとしているけど、うーん、音楽や映像を始めあんまり上手く演出できてるようには思えないなあ。いや頑張ろうとしているのはわかるんだけど、わかるんだけど……なんだろう。映画っぽさに引きずられちゃってるのかなあ。

例えばバスケットボール大量投げ&ワイヤーアクション飛び越え失敗という二大ベタベタ幻想シーンを結構真面目にやっちゃってるのは、うーん恥ずかしくないですかアレ? 宮藤官九郎の脚本ってあのクソ真面目さを良い感じに外すのがポイントなワケで、その外しポイントがわかってないってことなのかなあ。父親の汚い海発言のさらっと流されすぎの感じとか、あとタクシー車内のダッセーを良い音楽を止めるという当たり前すぎる演出とか、そこら辺は雑だよなあ。

しかし一方で映画的なシーンがメチャクチャちゃんと撮れているなあというのは手放しで言えて、柴咲コウ登場シーンの落語&スローモーションという時間の流れが異常な空間構築はもう素晴らしすぎて感激した。なんだかんだ告白シーンや殴り合いシーンの極端なライティングも上手いことハマってるよね。

でもなー、それらを支えてるのはやっぱり脚本だよなあ。ジョンイル死後の20円発言とか、細かい台詞回しがメチャクチャ上手いのは当然なんだけど、やっぱ構成が抜群だよなあ。警官シーンとか物語的にはかなり唐突なわけで、でもあそこにアレが必要だっていう言語化しがたい納得感があるよなあ。きちんと細々としたエピソードも回収して、いやあさすが堪能させていただきましたって感じである。

ニュースの天才

 

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例のクロスカッティングが作品としての見せ場なのはまあよくわかるんだけど、あそこまでやられるとちょっと恥ずかしい。いやまあ間違ってないしこういうオチにするだけにはあのくらいカッ飛ばさないといかんのは理屈として大変よくわかるんだけど、にしてもあそこまで構造を剥き出しにされると、ヒいてしまうなあ。そう長い話でもないけれども、全ての出来事があの瞬間のミスリードのために配置されていると言ってもいい内容で、しかもその展開があったからといって面白さがグンと増しているかというとそうでもないもんなあ。

いやこの映画では明確に誰が悪人で正しいジャーナリズムとは何かがはっきり示されているけど、そこを切り分けることでエンタメとして成立させても、後味の悪さというか「いやそれって彼をパージして終わりって話なの?」とは思うよね。特に今日本でネットを見ていると、報道の職業倫理というのは一際試されている時代なワケで。いや、時代を鑑みるならむしろそこら辺に一石を投じた時点で結構先進的なのかもしれないけどね。

あとマスコミの相互監視のやり取りは大変面白かった。そうだよなあ、あそこできちんと取材のソースを提示するからこそ、ジャーナリズムが成り立つんだよなあ。自浄作用。

棋士の一分 将棋界が変わるには

 

棋士の一分 将棋界が変わるには (角川新書)

棋士の一分 将棋界が変わるには (角川新書)

 

うーん、後出しジャンケンになってしまって大変ズルいけど、でもやっぱりこの本が人間としての橋本八段の軽率さを露呈してしまっているよね……。いやまあ、発言が大きな影響を持つにも関わらず、Twitterでいきなり三浦九段を糾弾したのははっきりいってあり得ないと思うんだけど、この新書でも「このような処分があるからには決定的な証拠を掴んでいるに違いない」という、一般人と全く変わらない想像で断言して論を進めてるものだから、うーん、それはさすがに説得力がないというか、思い込みと決めつけが過ぎない? と思う。結局仮定が間違っていたことが明らかになった今から振り返ると、ありえないよね。というか、三浦九段の名誉回復を本気で考えるなら、この本は絶対に絶版にするべきじゃないのかしら。

終始語られる「将棋は斜陽産業」というのも、いやまあホントに後出しでアレなんだけれども、今から見るとお笑いぐさだよね。あんなに敵視していたインターネットの将棋中継がきっかけに裾野が広がって、藤井聡太四段と加藤一二三九段をきっかけに、空前の将棋ブームなワケじゃないですか。もちろん間違いは誰にでもある話だけど、ここまで正反対のことが起こってると、思い込みと決めつけで描かれた価値の薄い本、という評価にならざるを得ないよなあ。引き合いにスポーツ選手のドーピングを出したときも、全く調べていないイメージでの言及だったときは本当に呆れたよ。調べればわかることを調べる手間もかけてないって話でしょそれ。

コンピューター将棋との向き合い方も、一般の将棋ファンとは隔離がありすぎて、うーんこの考え方をする棋士がいるのはわからなくもないけど、でもあまり一般的じゃないだろうし、こんなこと言ってるから斜陽産業になるんじゃん? とは個人的に思うなあ。

まあ、色々一生懸命色々考えていると思うし、橋本先生みたいな棋士がひとりくらいいても良いとは思うし、別に嫌いとかそういうわけではないんだけど、この問題に対して新書を書くにふさわしい立場の人には思えなかった。

ザ・グレイ

 

ザ・グレイ [Blu-ray]

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わはははスーパー地味な映画だなこれ。おっさんたちが狼に追われながら雪原を更新するのを追いかけるだけの内容。カタルシスも何もない。いやー、マジで地味。

いぶし銀みたいにその地味さに好感を抱けるようにならなきゃならん内容だと思うんだけど、残念ながらそこまでいってない感じがすごくする。というのもラスト含めてこの映画の最も重要なドラマが内的な葛藤の克服にあって、しかしその変化を映像で間接的に伝えるのは普通にテクニックが要る。間にテキトーな思い出話やらフラッシュバックやらを入れられただけじゃあ、その内面が外面のドラマに有機的に結びついて行かないよね、という。原作に小説があるみたいだけど、まあ小説だったら意識の流れをはっきり明示させられるので、こういうドラマも上手いこと接続できるのかなーと思ったり。まあ何にせよ、割と派手目でハラハラドキドキビックリパート襲来! な外面が、語るべき内面のドラマと齟齬を起こしてるよなー。まあ、序盤の雑なモノローグ(アメコミヒーローのオープニングかよ!!)からしてだいぶ嫌な予感はしてたもんなあ。突然神に語りかけ始められても「えー」とかなっちゃうのは自分が日本人だからなのかしらん?

飛行機墜落シーンの感じとかは大変良く撮れてたと思います。でもあそこが迫力あるから映画のトーンを見誤ったというのはありそうだよなー。とはいえあのシーンが撮れるんだったらまあしょうがないかそれはという気もする。むつかしい。

クロッシング・デイ

 

クロッシング・デイ [DVD]

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こういう話って大体報われないじゃないですか。だからこの話を見て単純に「あーすごい」と思いました。刑務所で償った描写があるからといって果たして悪人が元の道に引き返して良いのだろうか? まあでも振り返って見るとワルの映画ではあるけどこのふたりって基本ケチな小銭稼ぎしかしてなくて(少なくとも画面上では)、するってーと冒頭=ラストの銃撃戦が起こるまで実は引き返せる位置にいるのかしら? とかも思ったり。そういえば冒頭の顔隠しトリックも効いてたんだなー、ラストで時間軸操作してホッとさせるのもだいぶ気が利いている感じがします。

しかし引き返すアニキになんかしらないけど感情移入してしまうつくりになってるのもあるのかなあ。ってかあんなクズ男が刑務所に入ったからといって気を許しちゃうのってやっぱちょっと変だよね。出所してからも真面目に働くとかいっていきなり兄弟分の仕事に付き合うわけでしょ? いやー、これを信じろってのはちょっと無理じゃないのかなあ。でも信じちゃうのはやっぱアレか、役者か。なんかあの顔に騙されている感じがすごくする。

あとすげえ雪が主張する映画でボストンってそんな雪まみれなのか? でもニューヨークとそんな遠くないよね? そんなごっそり積もったり吹雪いたりするわけでもないのに雪雪雪って、なかなか珍しい映画だよなあ。