わはははスーパー地味な映画だなこれ。おっさんたちが狼に追われながら雪原を更新するのを追いかけるだけの内容。カタルシスも何もない。いやー、マジで地味。
いぶし銀みたいにその地味さに好感を抱けるようにならなきゃならん内容だと思うんだけど、残念ながらそこまでいってない感じがすごくする。というのもラスト含めてこの映画の最も重要なドラマが内的な葛藤の克服にあって、しかしその変化を映像で間接的に伝えるのは普通にテクニックが要る。間にテキトーな思い出話やらフラッシュバックやらを入れられただけじゃあ、その内面が外面のドラマに有機的に結びついて行かないよね、という。原作に小説があるみたいだけど、まあ小説だったら意識の流れをはっきり明示させられるので、こういうドラマも上手いこと接続できるのかなーと思ったり。まあ何にせよ、割と派手目でハラハラドキドキビックリパート襲来! な外面が、語るべき内面のドラマと齟齬を起こしてるよなー。まあ、序盤の雑なモノローグ(アメコミヒーローのオープニングかよ!!)からしてだいぶ嫌な予感はしてたもんなあ。突然神に語りかけ始められても「えー」とかなっちゃうのは自分が日本人だからなのかしらん?
飛行機墜落シーンの感じとかは大変良く撮れてたと思います。でもあそこが迫力あるから映画のトーンを見誤ったというのはありそうだよなー。とはいえあのシーンが撮れるんだったらまあしょうがないかそれはという気もする。むつかしい。