こんなんわからんぜ……そもそもピノチェト自体が名前くらいしかよくわからん人物だからなあ。きっとピノチェト政権下で暮らしていた人たちにとっては、めちゃくちゃ価値のある風刺なのだろうけれども、うーむ……サッチャーが出てきたところとか、本当はもうしてやったりで大爆笑なんだろうなあ。
いやまあしかし、そういう心持ちで見ることを考えると、この映画のトーンはなかなか面白いなあと思った。親戚が集まって遺産のあーだこーだのビミョーな空気をやる話で、このモノトーンの静かな映像は結構楽しい。しかも老いらくの恋も絡んじゃうわけでしょ。皺が刻まれた老人・中年の顔を大量に見た後で、フランス語を話す修道女をモノクロ画面で見ちゃったら、うーん、そりゃたまりませんよねえ。血の色が黒く染まっているのも、まあお上品で良い感じでありますよね。
まあしかし、いずれにせよちょっとわかんなすぎてわかんなかった。雰囲気だけで「面白かった」と言えるほどオレは高尚な精神を持ち合わせていないので……
