ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

鉄球姫エミリー 90ページまで

鉄球姫エミリー (集英社スーパーダッシュ文庫 や 2-1)
八薙 玉造
集英社 (2007/09/25)
売り上げランキング: 70935
おすすめ度の平均: 3.5
3 気をつけましょう。
4 好みが分かれると思いますが……

特殊な鎧で能力アップの重甲冑ファンタジー世界。鉄球姫エミリーが王位継承のごたごたに巻き込まれて暗殺者に狙われる。
構成が練られていないように感じた。キャラクターは多すぎるし、ここまではエピソードを削って半分以下にしてもいい。鎧説明は暗殺者を立てるシークエンスで後づけ的に説明・影武者はエミリーの命が危険なところで初めて開かす・等々。現状では説明的すぎる構成がスピード感を殺している。
文章のテンポが悪い。肝心のギャグ会話が、余計な状況描写を入れることでかなり台無しになっている感があり。日本語として疑問に思う文章も多い。
ヒロインに感情移入できないのは最も大きな失敗に思える。高慢ヒロインが悪いのではなく、そのヒロインに「それでもこのキャラクターの味方になりたい」と思わせるような要素がないのが問題か。内に秘めた高貴さが故に周囲と意見が折り合わない、等の理由付けがないと、ただの我が儘暴力姫にしか見えず、好感など抱きようがない。後に姫が徹底的にいじめ抜かれることで改心――というパターンも可能性としてはないわけではないだろうが、全体のテンポの悪さも相俟って、読むのがやや苦痛。