もっとわかりやすく「エンターテインメント」にしないことが、エンディングを見てめちゃくちゃ腑に落ちたところがある。現実の出来事をなぞったみたいな話はなんとなく覚えていたけれども、そうか役者を彼ら自身がやってるのか。そりゃまあわかりやすいドラマにすることはできないよなあ。それぞれの人間が実際に生きていく上で、困難にどうやって折り合いをつけていくか、そこで虚構がどのような役割を果たしているのか、というのを様々な解釈でやるしかない。途中の唐突な人物の退場とかも、「物語」に落とし込めない逸脱があって、それが大変説得力をもたらしている感じ。
それにしてもフレーミングの映画であるな。そもそも作中作というか、演じることを演じるという二重のフレーミングがあるわけだけれども、それが刑務所から見た外の光景と重ね合わされてたり、あるいは執拗に人物たちが枠の中にはめ込まれる構図だったりで、そのひとつひとつの意味合いが大変胸を打つ。喜劇が必要である、コメディは難しい、という話をこういう重いトーンでやるのもまた大変愉快だな。
そしてそういう枠組みがあるからこそ、主人公が「あなたも演じているんですか?」って問われてからの破局が際立つわけで。人間は多かれ少なかれ演じながら生きていくんだもんなー。
俺は石のシーンが大変面白かったです。ってかビックリするほどでかくなってて笑っちゃうよね。
