あー、『モガディシュ 脱出までの14日間』の監督か。向こうは手堅くいい話という感じだったけれども、こっちはかなり女性に焦点を当てた話になってるなー。
ってかクライマックス、そりゃまあ海の中で海女さんと戦っちゃマズいよね。海中での戦いって、基本的に迫力が出なくなるもので、『アクアマン』レベルの作品でも「あんまりよく演出できてないなー」と思ってたけど、この作品においてはストーリーの展開も含めてかなり良い感じのアクションシーンになっていて良かった。あそこがあるだけでも全然楽しいよね。海中で男女の力関係が逆転するというのは、映画の作りとして大変よろしい。あの展開、真っ先に思い出すのは『デスプルーフ』だけれども、海が女性のテリトリーになっているという意味では、こっちの方が納得感のあるデキなのかもしれないなぁ。
あとはまあ、女性同士の友情の話ってのがデカイよなー。工業廃水によって生活が破綻した地方の人間が、境界の領域を使ってシステムに対抗する話でもある……のだけれども、その境界でさえある種のシステムに支配されているという二重構造があるんだよなー。そこまでの捻れた搾取構造がこれでもかというくらい強く描写されるから、単純な正義にはなり得ない彼女たちの行為がカタルシスをもって迎え入れられるわけで、まー構造的にちゃんとしていますわね。いやはや、面白かった。
