いや、すごいなこれ……すごい……
何はともあれ市原悦子がやべえ。あの殺人直後の混乱パート、あんなに説得力をもって母親やられたら、もうそれだけで満足だよ。その後の展開も、全然悪くはないんだけれども、とにかくあの母親との問答の謎の説得力にリアリティレベルをズタズタにされて引き込まれちゃう感じ、ちょっと抜群すぎるよ。あの飛躍しているようでギリギリ繋がっているセリフの応酬と、あと合間に挟まる死体引きずりやすいみたいなディテールと、そして会話の端々から強制的に読み取らされる家族の関係性……そして再び起こる惨劇。あのシーンだけでもう映画史に残るよな。いやはや、参りました。
あと成田闘争のまっただ中、という状況もやっぱり効いているよなあ。進学できないことへのコンプレックスとか、真っ当な生活を手に入れたいという欲望とか、破滅に向かうしかない空気感とか、いや実際に感じたわけじゃないから想像でしかないんだけれども、やっぱりフィルムを通して伝わってくる気がするよ。
で、この作品を撮った後、「太陽を盗んだ男」を撮るワケか。今村昌平の薫陶を受けて、石井聰亙作品にも繋がっていく――って納得感がめちゃくちゃあるな。っていうかこのラインを今まで認識していなかったのは普通に良くないと思いました。
![青春の殺人者 [Blu-ray] 青春の殺人者 [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/415TuMZnIbL._SL500_.jpg)