ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ファンたちの市民社会 あなたの「欲望」を深める10章

 

いやー、ここ最近自分が思っていることをぜーんぶいってくれた感じで最高。首がもげるほど頷くってのはこういうことを言うんだなあ。実践を促すその口調と良い、まさに俺が「世の中にこういう本が必要だなあ」と思っていたものそのものだよ。

今の世の中、自分の「悪さ」と向き合うことが非常に忌避されているように感じるんだよねえ。フェミニズム的な文脈って、自分の「悪さ」が世の中から突きつけられている中で、どうやってその悪さを肯定していくか、みたいな文脈から生まれているような認識をしている。マドンナの話とかはまさにそれで、そこで「選択できること」がものすごく重要な概念として立ち上がってくる。

けど、男性ってそもそも自分の「悪さ」と向き合うことが難しい、という感覚がすごくある。他者からまなざされる感覚がなく、自他を切り分ける感覚も乏しく、だから悪さもひっくるめた自分と向き合う感覚がない感じ。だから彼らの欲望は自明のもので、世界の欲望と同視されるべきでいる。だから公共の場ではエロをゾーニングしましょう、みたいな議論と噛み合わない、みたいな図式じゃないかなあって感じ。

それをどうやって超えていくのか……というのが大変難しいなあと思っていたんだけれども、二次創作という概念でそれを乗り越えようとするのは面白いなあ。まあ、アメリカのスタンダップコメディだって、ある種現実のパロディみたいなもので、そうやってフィクションと笑いの力で現実に異なった視点を持ち込み、それによって自己の像を改めていく……というのは、フィクションだからこそできる営みではあるよなーと思った。男性向けのフィクションも、もう少し現実の自己に接続した方が良いんだろうなあとも考える。