前にこの映画にまつわる出来事を書いた新書を読んでいた。名作って話は聞いていたから早く見たいと思っていたんだけれども、やっとU-NEXTに入っているのを確認したので見たよ。
正直な所新書の内容はすっかり頭から抜け落ちているんだけれども、いやむしろ抜け落ちていたからこそ、新鮮な気持ちで大変面白く見ることができました。
なんと言っても雪だなあ。全編にわたって北陸の豪雪が圧倒的な存在感を放っている。ヤクザ映画をまあちょこちょこ見てはいるんだけれども、ここまで雪が印象深い作品ってなかなかない。そしてまあ、その雪を活かして冒頭にブチ込まれるあの拷問シーンの素晴らしさよ。雪がビシャアってタイヤに巻かれて宙を舞うあの迫力、北国に住んだことがあるならよくわかるよね。冒頭とラストで対比になっているのも素晴らしすぎる。
全体を通して「実録」というジャンルがこれほどまでに効果的に機能している作品は珍しいとも思う。主人公の立ち振る舞い、普通に考えたらめちゃくちゃで、こんなキャラクター成立すんのか? って感じだけれども、松方弘樹が実録の名の下にやっちゃうともう訳のわからない説得力が生まれちゃって笑うしかない。そしてさらにそれに呪術的な重みをかぶせているのが北陸という土地の空気。思い返してみると、タイトルバックの日本海と雪と墓の映像が、作品全体のトーンを余すことなく表現してたんだなあ、と思いました。いやはや面白かった。
