へーなるほどこういう映画だったのか。今までなんか軽くバカにしていたところがあって、見るのを避けていたんだけれども、なるほど確かにヒットするのもわからんでもない内容だなーとは思った。なんつーか、監督がこいうところに力を入れる監督なんだなあ、というのはよくわかる。
細かな人情話のエピソードが重ねてあって、それぞれがそれなりにきちんと演出されていて、ちゃんとしてるなーと言う感じ。ただまあ、それが日本の復興と経済成長を上手く捉えているかというと、あまりそういう感じはしないかなあ。もちろんエピソードのディテールは、そういう時代の象徴を借りてきているけれども、それが大きな流れとして何らかの意味をもたらしているか、というとあまりそんな感じはしない。そういう意味ではちょっとテレビ的な感じ。そういう意味では「ゴジラ-1.0」の方が全然好きだなあ。
あとまあ映画が作られた時代の事もあるんだろうけれども、あの暴力をある種のコメディとして演出されるのはキツいなあと感じてしまった。もちろんコメディとして演出用としたとき、そつなく描かれているのはわかるんだけれども、そもそもそのシーンがコメディとして用意されていること自体がキツいなあという感じ。あれで謝ってほだされて和解するのは、DVの構造と大して変わらんだろ、とか思ってしまう。