おねがい、おねがいだからこれ以上ダイアナ妃を虐めるのはやめてあげて……という感じ。王室の歪みを全部あの女性に押しつけるようなシナリオになっちゃってるじゃないですか。本当にひどい。ひどすぎる。これがつまりイギリスのスタンダードなニンしきってコトなのかなあ……
これまで男女の世界観の違いを軸に、有害な男性性を批判してきたこの話だけれども、その軸がだいぶ変質している感じはするよねえ。もちろん、以前から「愛」を貫くかどうかというのがテーマとしてしつこく述べられてはいたけれども、まさかこういう形で展開するとは夢にも思わなかったよ。いやあ、本当にしんどいドラマになってしまっていますよねえ。
一方で、このドラマシリーズを見始めた動機であったサッチャーとのやり取りは、なかなか見応えがあって良かったです。前にメリル・ストリープのサッチャーの映画を見たときは、世の中の状況を含めてイマイチよくわかってなかったので、もう一回見返したいなあ、と思った。しかしまあなんというか、人間としての苦しみやブレを描いているあたり、尺があるだけの深みのあるキャラクターとして描いているなあ、とは思う。
とはいうものの、一番印象深かったエピソードは侵入者の回だよなあ。時間軸を捜査して、最後の対話へ緊張感を高める構成とか含めて、大変良くできてるなーと思いました。
