ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

北斗の拳

 

今更! 全部! 読んだよ!

やっぱり前半のテンションが高いというか、ラオウを倒すところまでの勢いがすごいなあ、という感じ。北斗と南斗の対立軸があって、そこにそれぞれの格のあるキャラクターとヒエラルキーがあって、ラオウが倒すべき敵として早めに顔を出しておいて……という強固な構造が、ストーリーをガッチリ固めていて良いよなあ。

一方で、ラオウを倒すところでテンションがアガリ切っちゃっていて、その後はなかなか厳しいよね、という感じもする。基本的に構造が希薄というか、例えば愛を巡るストーリーなのに、そこに対する考察が深まっていかなかった、というのも深みが出せなかった理由のひとつだよなあ、と思う。

あとまあ、仲間はその力の無さが原因で死に、また敵は愛を知ると同時に死ぬ……みたいな構造で、ケンシロウが愛を一身に背負って戦うつくりなのが、結構しんどいところだよなあとも思う。せっかく生かしたユリアも殺してしまって、愛について考察を深める軸がなくなってしまっているよなあ。本来ならば、愛という概念を手に入れ、自分の弱さを抱えながらも、生き延びていく……というキャラクターがいても良い気はするのだけれども、男はむしろ死ぬことが誉れ、みたいなストーリーになっており、そういう時代に描かれた漫画なんだなあ、というようなことを強く思った。