ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

レベル・リッジ

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えーなに? コレ傑作じゃないですか? 全く期待せずに見始めたから、ビックリしてしまったよ。ってか最初のシーンの情報の提示とか、緊張感の出し方とかだけで、とんでもない作品だってのがわかるよねえ。あそこからの一連の「どうしようもない悪の企みに絡め取られていく感覚」がめちゃくちゃ上手いし、それに対して「主人公が対抗する手段を持っている」という情報の出し方もめっちゃスマート! 素性を明かした途端、めちゃくちゃ説得力のある不殺のアクションが展開されるのとか、映画として良くできすぎではなかろうか。

しかしそんな主人公を押し返すストーリーテリングも最高で、単なる暴力では解決できない自治体の問題に、ミステリ仕立てで挑んでいくのがたまらない。そこに協力者として行動する女性が、善の心を持ちながらも、主人公と同じような悪意に絡め取られている……その説得力たるや!! いやー、本当にこの脚本、良くできてるよねえ。

そして何より、悪の描き方が巧みなんだよなあ。もちろん悪の首謀者みたいな立場のキャラクターはいるけれども、それは世の中の仕組みが生み出してしまった帰結の象徴である、みたいな描き方がされていて、作品の射程範囲が広い広い。ラスト、レコーダーを手に座り込む主人公が、しかしわかりやすい勝利を手に入れることができない、というのがめちゃくちゃズシンとくる映画でした。

いやー、この監督ちゃんとチェックしよ……