ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

道をひらく

 

あー、これが噂の松下幸之助か……

今読むと「新しいなあ」と思うところと「古いなあ」と思うところが混在していて面白いなあ。でもいわゆる経営哲学としては、今の時代まで通用しそうなことが書かれているだけでもすごいことなんだろうなあ、とも思う。

新しいなあ、と思うのはある種の自己肯定感というか、あるがままの自分を受け入れろという姿勢があるところ。ここら辺、著者の宗教観が出ているのだろうけれども、競争社会に己を適合させていくのではなくて、自分を見つめて肯定していくところから始めるアプローチは、今の社会にも通じる切実性を持ってるよなー。

一方で古いなあと思うところも結構あって、言葉の端々に当時の社会制度を無批判に受け入れている感じがすごくする。女性の扱いとかもそうだし、あとはなんと言っても国家に対するスタンスの取り方かなあ。国を背負う、という自負があるのはやっぱりそういう時代の人だなあ、という感じはするけれども、成功者が国と自分の行為を一体化させて、なおかつそこにあまり批判的な視点がみられないように感じるのは、時代背景的には当然のことなんだろうけれども、やっぱりちょっと引っかかるよねえ。強い立場だからこそ言える言葉に感じてしまう。もちろん、そういう前提を置いた上で、いろいろ学ぶことがある内容ではあろうけど……