相変わらずけったいな映画を作るよなーシャマラン。そもそもが一つのアイディアを純化させてくタイプの作家ではあろうけれども、ここまで色んなものを削りきられると「マジかよ……」となる。いやなんか普通の監禁モノとかソリッドシチュエーションモノとかですらないじゃないですかコレ。多重人格というネタばらしもわりと序盤にやって、偶然拉致された女性たちの恐怖をただひたすら追いかける。アンブレイカブルとの連続性が語られてはいるけれども、そもそもアレだけ引っ張った「ビースト」だってそんなにすごいネタとも思えないよねえ。
で、そういうなんとも中身がなさそうな内容で、それでも一本撮りきってしまう得体の知れなさ、すごいよね。虐待がテーマとして出てきてストーリーが結ばれるけれども、今更虐待をテーマにこういう話をつくることってそれ自体では何の訴求にもならない、というかむしろ陳腐で仇にさえなりかねないヤツなわけでさあ。この映画ではそこら変、役者の力でなんとかなっている感じもするけれども、基本的には良くないヤツだと思うよ。
まーでも、そういうの含めて映画全体としてはなんかちゃんとそれっぽいモノになっているのがなんかやっぱり恐ろしいよ。シャマランってもしかしたらすごい監督なのかもしれない。勘違いかもしれないけど。