ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く

 

興味のあるところだったんだけれども、色々疑問が先に出てしまってあまりきちんとのめり込むことができなかったというのが正直なところ。そもそも「意識があるってどういうこと?」「どこで見分けるの?」っていうところがもう少し丁寧に定義されないとこれってどうしようもないと思うんだよなー。現状自分以外に意識があることだって間接的な証拠でしか証明できないわけでさあ。歴史を辿って松果体に言及したりしてたけれども、結局章の最初に大風呂敷広げたような「意識とは何?」みたいな問いにも、きちんと答えてもらえてる感じがしないんだよなー。

全体的に似たような印象で、技術の紹介やらなんやらで、丁寧に説明してあるところは説明してあるんだけれども、それで本当に説明になってるの? とか、それってどれだけリアリティがあるの? みたいなところがいまいち納得できない。

例えば脳梁の障害をヒントにコンピューターに意識を移す方法を提案しているけれども、それでどれだけ今の「私」との連続性が担保できるのかもいまいちわからんというか……分割して統合したら、元の人格とはその性質が全く異なってる、みたいなことがあることだって十分に考えられるわけだよねえ。思考実験としてはわかるんだけれども、本当にそれでいいんかいな? みたいな風に思ってしまう。