いやー政治がこういうレベルでコメディとして通用する国ってのはすげーなーと感心せざるを得ないよなー。これがお笑いとして通用するくらい、政治とはどのようなものであるというステレオタイプがきちんと共通理解としてあって、しかもそのステレオタイプに対する皮肉を受け入れる度量が社会にある。そしてそういうコメディの名目で創られたものが、きちんと社会風刺になって、現行の政治制度を批判するモノになってるのもすごいというか、「コメディ」がきちんと機能してるんだなあと思わざるを得ない。どう考えても、このレベルのコメディを日本で作るところが想像できないもん。ドキュメンタリーとして思いっきり揶揄するか、それとも『新聞記者』みたいにクソ薄っぺらい政治的主張を行うか、みたいな展開しか想像できない。本当につらい。つらいなあ。
ともあれ、映画を見ていて思ったのは、こういう題材をコメディとしてやると、やっぱり文脈は高度にならざるを得ないよなあ、ということは痛感する。自分もある程度はアメリカ政治について知識を得ているつもりだし、ポリティカルフィクションとか政治をテーマにしたコメディも数はこなしているけれども、しかし笑いのポイントがわかんないギャグばっかりだもんなあ。そもそもアメリカのコメディの温度感が違うのもあるだろうけれども、もう少し意味は解釈出来るくらいになりたいぜ……