ようやく見たんだけど、えー、これなんか脚本すごくないですか? 今までもこんなに良くできた脚本だった? オレの波長が合っただけ? いやあ……
まず何よりふたりの親子の関係が大変うまく作品を支えているわけだけれども、それがきちんとマイノリティへの差別と噛み合っているのがとても良い。ふたつの親子の関係は、似ているようで「異文化に溶け込むためには妥協が必要か否か」という点で対立しており、その緊張関係が大変うまくストーリーを牽引している。
そしてまた、そのふたりの親を対立させ、また心を通じさせもする中国拳法が、さらに大きな意味で彼らマイノリティのアイデンティティとなり、いずれ世界と繋がるための重要なツールになるのだ、という未来への予感が、ブルース・リーを通じて語られるのが本当に素晴らしい。アメリカという国にとって、カンフー映画がマイノリティに与えた影響がでかいことを知っているから感動はひとしおだし、またそういうテーマを今現在、映画という形できちんと語り直そうという制作者の姿勢には、そりゃまあ感動せざるを得ないというか……いやあ、本当にこんなに良くできた脚本のシリーズだっけコレ? 参っちゃいましたよ。
殺陣に関しては、やっぱりドニー・イェンはかっこいいなー、という感じ。最早敵の立て方が難しい内容ではあろうけれども、ストーリーがしっかりしているので大変楽しく見ることができました。っていうか、むしろなんで海兵隊で空手があんなに押される状況になったのか、そっちの方が知りたくはあるな……