あらーこれは楽しい映画ですね。
土地買収の話ってことで、環境破壊含みで丁々発止の交渉が行われる映画化と思ったら、なんか全部雰囲気で進んでいくのがとんでもないなーって感じ。自分は地方の出身なんで、「田舎っていいよねえ」みたいな映画って基本めちゃくちゃ警戒するんだけれども、この映画の田舎描写は全くイヤな感じがしないんだよなー。やっぱり必要以上に理想郷として描かないところがいいんだろうなあ。ガンガンセックスするしウサギだってバリバリ食っちまうし住人は俗だし、というマイナスな部分をユーモアに包んで描いて、プラスの部分は主人公の余白と光景に任すんだもんなあ。ストーリー展開もかなり思い切っているというか、社長の謎のミッションと泳ぐ美女で一発逆転! という感じで、いやはや、度胸の据わった脚本だなーと思いました。まあでも、このくらいの空気感だからこそ、ある種のおとぎ話が、資本主義社会のカウンターとして成立するのかなあ。