え? マジで? 法廷劇なのにそんなにアッサリ無罪になっちゃっていいの? ビデオの存在とかを巡ってもう二転三転あると思ってしまったよ。
イエメンのデモ隊を「悪人」として描くことに躊躇がなさ過ぎてビックリしてしまうよねえ。今見ると、その一番センシティブな部分をどう描くか、サミュエル・L・ジャクソンの人間性をどのように表現するか、というのがポイントになると思っちゃうんだけれども、彼が見たデモ隊の真相を見せるのを後回しにするだけで、その実は「本当にデモ隊は悪人でした」ってところでお話を落ち着けちゃうのは、本当に驚いた。ベトナム帰りの軍人を好意的に描く内容で、まーそこら辺の愛国心のある人をターゲットにしてるのね、というのはわかるんだけれども、いやまあそれにしたってアメリカって国への内省みたいなのがなくて唖然とするしかないよねえ。フリードキンってこういうスタンスの映画を撮る監督なんだなーと思った。
いやしかし、例えデモ隊が銃を持っていたとしても、83人を殺してしまうのはさすがにマズすぎるというか、そこに対する引け目みたいなのはないのか? と思ってしまうよなあ。それが戦場に行ってない人間の甘さ、みたいなところで織り込み済みの反論がなされている脚本ではあるけれども、いやでも戦場に行ってないからこそ言えることもあるし、そういう状況が起こったことそのものに対する反省というのは、ちゃんとしておかなきゃならない内容じゃないのかしら……?