あ、これ結構寝かせてた気がするんだけれども、かなり面白い。最近シュメールの文明の成り立ちの辺りを見ていることもあって、結構集中して読むことができた。
いやまあそもそも類人猿と人間の違い辺りから全然面白いもんなあ。人間にはそもそも文化というソフトウェアが走っていて、文化を抜きにした自然状態のホモ・サピエンスを観察する機会ってのはほとんどない、みたいなことも改めて考えるとものすごいことだよなあ。今まで狼に育てられた少女の話とか、別に「ふーん」って感じで聞き流していたけれども、この本を読んだ視点で考えるとめちゃくちゃ貴重なサンプルケースなワケだ。なるほどなあ。
宗教の成り立ちについての考察もめちゃくちゃ面白かった。まさにシュメールの神話の本を読んだばっかりでもあったしね。ただ、そこら辺は結構全体のストーリーに合わせてふわっとしているような印象もあるので、他の本も当たってみるかと思っている。
あとはまあ、お金の話だよなあ。硬貨の発明が社会の流動性を高めて文化に影響を与えた、というのはもちろんわかっていたつもりなんだけれども、この本は硬貨が個人の内面にどのような変化をもたらすかを取り上げていて、その視点はなかったぜと目からウロコってヤツでした。それを実際に貨幣経済が根付きつつあるところまで取材に行くのとかも含めて、うーんNHKってちゃんとしてるヤツはちゃんとしてるなあ、とめちゃくちゃ感心させられました。