ヘスティア様が結構話題になっていたのは横目で見ていたけど、ふーむ、こういう話だったのか……
確かにヘスティアがアイコンとして機能するのはわかるんだけれども、とりあえず全体の作りはクラシックよねえ。この作品ならではのワンアイディアがあるわけではなく、すでに先行作品があるから、省略できるところはもう思いっきり省略してしまっている感じ。主人公の成長そのものがカタルシスになるあたりとか、とにかく余計なところを削ぎ落として、受け手の快楽を刺激することに特化しているよなーと言う感じがすごくする。恋愛関係の描写もめちゃくちゃクラシック、というか、一昔前のハーレム物って感じがするよなあ。「そのロジックで行為が発生していいの?」みたいなキャラクターの私的な部分が、大きなストーリー展開に塗りつぶされて恋愛関係が成立しちゃう感じとか、今はちょっとのれないなあ、とは思う。まーでも、ヘスティア様が作品のアイコンとして機能している以上、この作品にとってそういう女性観でキャラクターを描く弧とは、むしろ必然って感じもするか……
しかしなんでこんなに世界観に引っかかりがないんだろう。異世界ファンタジーを描く時、舞台そのものにどのような工夫があるか、というのは結構重要なところだと思うんだけれども、全く印象に残んないんだよなー。不思議。