あ、これはなかなか良い密室劇ですねー。ってか、マジでこの建物の中だけで完結してしまうとは思わなかったなあ。登場人物も限られていて、建物にもそんなに大きな変化があるわけでなく、人間関係と緊張関係だけでしっかり見せるのはとても良いですねえ。
っていうか主人公のキャラクターとしての魅力がたまらんというか……なんかこう、めちゃくちゃシブい「キングスマン」みたいな感じ? そもそもこういう役柄で過去を匂わせて……という設定自体が大変ズルいんだけれども、それがまさかの元ギャングみたいなと頃で種明かしされちゃうんだからなー。こんなん好感持たないわけがないよなー。
それにしても、主人公の秘密の引っ張りっぷりがすごいよなあ。全てを見通している、まではまあなんとか予想つくかもしれないけれども、そこから先事態をどうおさめるのか? というところで、無理難題をああも鮮やかに解決されると、なんというか「参りました」の言葉しか出ないというか……
まあそれにしても、ハードボイルドというか、中途半端な愛情は自分を窮地に追いやるだけ、みたいな話だったよなー。そういう意味で、主人公の愛情の優先順位は明瞭で、それがさらに作品の残酷さを引き立てているというか……うーむ、堪能した。