まずは何よりも、「うーん人生を謳歌しているなあ……」という感じ。例えばこれが同じ酒でも、ウィスキーとか日本酒だったらこういう感じにはならなかったんじゃないかなあ。ワイン特有の、食卓を皆と囲んで軽やかに、ワイワイガヤガヤ楽しくやる感じがめちゃくちゃ伝わってくる。音楽と編集の力もあるんだろうけれども、それより何より「自然派ワイン」を新しい農法で創ろうと考える、被写体の人々の姿勢が根っこにあるんだろうなぁ。反骨心と信念があって、ともに助け合いながら新しい農法にチャレンジして、しかもそれがマーケットとしてもきちんと機能している……もちろん闇の部分を意図的に切り捨てているのかもしれないけれども、それでもやっぱり、新しい分野を切り開こうとする人々をこういうスタンスで描くのは偉いよなあと思う。
「もやしもん」とかで酒造りはかなり科学的な知識がないといかんのはわかっているつもりだったけれども、まー実際でもこういう感じでやっているんだなあ。科学知識を駆使し、技術と手間を惜しまなければ、有機栽培でもきちんと農業はやっていける、というのが大変力強く感じられる。まあこれは「ワイン」という特殊な市場があるからできることで、農薬や化学肥料が可能にした大量生産の叡智を軽んじてはいかんのだろうけど、まあしかし、もう次のステップに移行してもよいタイミングって感じもするよねえ。
