ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ヴァギナ 女性器の文化史

 

めちゃくちゃ面白い本なのだけれども、読むのにもめちゃくちゃ時間がかかってしまった。なんでやろ。

ひとつにはまず語源の話が多かったりするのが原因かなあ。過去の医学本を紐解きながら、各部位の名称の変遷をあれやこれやと検証しているパートが長いなーって印象がなんか強い。そこらへん、ラテン語の文化圏じゃないと、どうしても実感が湧きづらいところはあるよねえ。

まあそこら辺も含めて、全体的にヨーロッパ的・キリスト教的な価値観がめちゃくちゃ強く感じられるのもなかなか面白かった。たまに入ってくる東洋思想なんかに、なんとか女性に向けられた禁欲主義を相対化しようという意図を見てしまうよなー。そもそもこの本全体が、ヴァギナについての知識のタブーをなくし、女性の性的な権利をきちんと打ち立てよう! みたいな姿勢が見えるわけで、フェミニズム的にも大変重要なことをやっている自覚があるんだろうなーと思った。ってか、そうじゃなきゃこんな挑発的な表紙にはしないか。

まーしかし前立腺とか海綿体の男女差の話は面白いよなー。図示されると、なるほど確かにクリトリスが感じる部位なのは当然だって感想になる。