ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ヒッチハイカーKAI: 手斧のヒーロー、その光と影

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インターネットによって人生の歯車が狂う……というのは最近良くあるモチーフではあるけれども、この人の場合は果たしてそれをどのくらいで見積もればいいのかが良くわからんな。インターネットには、単なる情報拡散装置ではなくて、人間が外部から張られたレッテルによって人生をねじ曲げられていく、という側面があって、危険なのはむしろそこという感じもする。エッセイマンガをやっている人が、どんどんマンガの方に人格が寄せられていって精神のバランスを崩して行く、みたいなヤツ。

でもこの人の場合は終始ネットの見方に影響されず、むしろ人々から注目を浴びることによって、それまで抑制されていた彼の本性が世界に知られていく、みたいな状況に陥っていってる。それはインターネットだけでなく、情報を拡散すること一般で起こりえる問題で、別にインターネット固有の属性ではないんじゃないか、みたいな感じはするよねえ。いや、もちろんネットならではの拡散の速さ、みたいなのはあるんだろうけれど。

そういう意味で、インターネット以前の社会は、情報がゆっくり伝わることが、ある種の緩衝材として機能していて、セーフティネットになっていたんだなあ、とは思う。この人も、ホームレスのヒッチハイカーとして暮らしていれば、きっとこういう事件を起こさずに済んだのかも知れないなあ。やっぱ社会は現在進行形で変化してるんだなあ。