ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

アンソニーのハッピー・モーテル

 

ウェス・アンダーソンなのに! ウェス・アンダーソンっぽくない!

なんかてっきりウェス・アンダーソンのあの特徴的なシンメトリーの構図って、デビューから使われてたんだろうなーと思っていたから、映画を見てひっくり返ったよ。なんかこれ普通の映像じゃん! すごく普通の映画っぽいじゃん! いやしかし、キャラクターはミョーな人間がミョーなことをするウェス・アンダーソンっぽさに溢れているので、だからこそ彼の映画にとってあの構図がなぜ必要なのか……というのがわかるようになっていてメチャクチャ興味深いですね。非現実的なアングル・静的な画面の中で人間が行動すると、戯画化がさらに強調されるもんなんだなー、あの際だった色覚のセンスも、そういう非現実感に寄与してるんだなー、みたいなことを今更ながらに思い知らされました。ってか、そういう風に考えると小津安二郎の編集と結構似通ったところがあったりするのかしら?

単体の映画としては、いい話だけどもこうもう少しパンチが欲しいよね……という感じもしたので、逆に脳内であの様式で撮られたこの作品を想像しちゃったりもしますね。特に告白の二重通訳シーンだったり、エレベーターだったり……

それにしても、まさかあの「好きだと伝えてくれ」がゲイ勘違いで空転しているとは思わなかった。あの脱臼感は本当に笑ってしまいました。