うおおおおジュディ・ガーランド……振り返ると、『ジュディ 虹の彼方に』の内容は、この映画をかなり意識してあるのね。虚構が現実を予言したような感じ。こっちが先だったら、あの映画はさらに感慨深いものになったんだろうなあ。
映画自体は正直「こんな長尺にする必要ある？」という感じでたるいし、ミュージカルをやるんだったらもっとガンガン愉快にやってくれよ……とも思う。っていうかどこに金をかけてんのかよくわかんねー映画だよな。途中で出てくる謎の写真パートなんなん？ 積極的に何か効果を発揮しているようには思えないよね。予算とかスケジュールとか役者の体調とか、そういうのが関係している手抜きのように思えてならない……マジで謎。
後半の、ノーマン・メインが身を持ち崩していくパートは、展開としてなかなか見応えがあるけれども、しかしだからってあのラストはナルシシズムがすげーなーと思わざるを得ないよね今だと。駄目な自分に愛想を尽かして海に身を投げて、しかもその分主人公は生き続けなければいけない……なんて、さすがに男に都合が良すぎねーか？ ハリウッドが落ち目の男性視点に贔屓な感じがメチャクチャ伝わって、うーんこれも当時のハリウッドのスタア観・女性観なのであろうなーと思いました。
