ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

新書版 性差の日本史

 

話題に出たから買ってみたんだけど、あー、これはまさに図録を新書にしたって感じだわ。面白かったけれども、ちょっと想像していたのと違った。もう少しきちんと章立てしてじっくり時代の流れを明瞭なストーリーとして知りたかったんだけれども、これは時代ごとに点を置いてその間の線は結構こちら側に委ねられている感じ。これは実際に展覧会見に行った方が絶対良いヤツだなー。

とはいえ個別には面白かった点はたくさんある。いきなり卑弥呼の話になるわけだけれども、実は古い時代の方が女性が権力をふるう側面があった、みたいな話はなるほどなーと思った。「最古の職業が娼婦」説も、日本固有の社会的状況から否定していたのも面白かったなー。専門的職業になるためには貨幣経済の発達を待たなければならないワケね。

あとはまあなんと言っても、「展示」という形式から導かれる必然として、女性表象とその消費みたいな関係にも強く力点が置かれていたのは納得感があったなあ。今まさにホットな話題でもあるので、現代に繋がる視点でその辺りを追いかけられてなかなか興味深かったです。