ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代

 

あー、この時代はパリの方のイメージはバッチリある一方で、ウィーンでも色々あったのはわかるんだけれどもどうもこう感覚的にボンヤリしていたのだった。フロイトはわかるしウィトゲンシュタインが生まれ育ったのも知っているけれども、クリムトやらエゴン・シーレやら美術の方面はあんまりよくわかってなかったのである。まして工芸なんかにインパクトを与えていたのは全然知らなかったよ。しかしそれも長いハプスブルク家の伝統がそうさせてるんだろうなあ。パリって大改造があってモンマルトルだのなんだのって新しい文化を生み出す象徴みたいなものがあるイメージだけれども、ウィーンって歴史がすごすぎて全然そういう新しいもののイメージが湧いてこないというか……

でまあ、この映画を見てそのイメージが多少は改まったんじゃないかなあと思う。色々あったけれども、やっぱりポイントはクリムトとエゴン・シーレという時代を代表する画家のふたりが女性を生々しく描いたという所だよなあ。パリの印象派からの流れももちろん女性を描いてはいたけれども、このふたりの画はもっと過激で性に結びついている印象がめちゃくちゃ強い。そりゃまあ当時はインパクトが合ったんだろうなあと思う。また、シーレの絵を男性の異性愛者が「横に飾ろうとした」というエピソードも本当に良いなあ。あの画の迫力は、単なる客体ではなくて、主体として裸の女性の描こうとした試みだったわけだ。