ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

自由の命運  国家、社会、そして狭い回廊

 

 

様々な時代・国のケースを具体的に取り上げて一通り読むのは楽しいんだけれども、どうしても馴染みのある場所とない場所でイメージの質が違ってくるな……南米はまだしも中東なんかの理解が全然ないので、話についていくのが大変だった。というか飛ばし飛ばしになってしまったかもしれない。

そんな中ですげえ印象に残ったのはインドの話で、改めて考えてみるとカースト制が強く社会に影響を与えているインドって、人権的に見たら結構やばめのポジションにいるような感じがするんだよなあ。もちろん戦争をふっかけて占領する……みたいな振る舞いをしてるロシアとは比べらんないかもしれないけれども、でもやっぱり国際社会の中あのポジションで振る舞っているのを見ると、ヨーロッパ的な人権意識と距離があるのもまあそりゃあ当たり前だよねーみたいな気持ちにはなる。

しかしまあこれだけたっぷりかけてひたすら赤の女王効果について論証しているので、全体から感じられる危機感が大変強いなー。トランプ大統領が生まれた世界で、強い意志を持って記された本、という感じ。北欧をモデルとした解決法が果たして成立するのかどーかはよくわからないけれども、少なくとも、アメリカはトランプをある程度制御しつつ、次の選挙で揺り戻したわけだからなあ。振り返るに日本の体制を当てはめて考えてしまうよなあ。