邦画のヤクザものって日本語が聞こえづらいのが障害になる印象が強いんだけれども、コレは全然普通に聞き取れてまずそれが良かったです。
でまあ映画自体もすごくいいですね。まずは何より脚本がよいというか、全体の図式が大変わかりやすくて良いよなあ。ちょっと新人君が翻意するというか、役所広司になびくところの心の動きが唐突かな……? と思わなくもないけれども、図式がスッキリしているから各所どんでん返しも「うーん良くできているなあ」という感じ。死んでからその偉大さが分かるとか、その影を追いかけてクライマックスへの決意を固める辺りとか、うーん本当にきっちりしてるなあ。
あとガンガンフラッシュインサートみたいなのがあるけれども、語りすぎない感じのバランス感覚は好みだなーと思う。殴るシーンが随所にあるけれども、基本フレームの外で殴らせておいて、本気でブン殴るのはライター見つけた直後のシーン、というのも良いよなあ。大変良い。首を掘り当てるところとか、水死体の確認のシーンもそうだけれども、フレームの外で情報をコントロールするのって大事なんだなーと思いました。あのドキドキ感は手でコントロールできるカメラだからできる感覚なんだなーとか思った。