ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後

 

「虹色のトロツキー」を読んだりして満州づいている。合間に「ゴールデンカムイ」も挟まったから、何かずいぶん思い入れが深い。

世界中を飛び回って卒業生に話を聞くという立て付けなんだが、満州の状況だけではなく、それを取り巻く各国の社会のバックグラウンドが露わになり、あーなるほどこれは確かに良い切り口だなあと思う。満州だけの取材ではこういう形にならないもんなあ。

まあ色々面白い点はあるんだけれども、一番印象に残るのは中国のエピソードで、中国国内で思想に対する圧力が2010年とかでもこのくらいのレベルでかかっていたというのは、想像以上にビビる。あのパートの緊張感、ホントに半端ないしなあ……

そしてその印象深いエピソードが、ラストのあとがきで回収されるのも本当に圧巻。自分の人生を描いた本の出版の是非に対するアンサーが「漢詩」で為されるとか、うおおおおお本物のインテリというのはこういうものか……とその思想と教養に思わず泣いてしまったよ。すごい。

できればもう少し、大学の生活も詳しく見たかったなーという気はするけれども、そこら辺は巻末の資料を当たってみようかしら。「虹色のトロツキー」の印象が強すぎて、その生活がもっと知りたい! という気持ちがめちゃくちゃ強い。