ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

パワー・オブ・ザ・ドッグ

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いやー堪能した。やっぱそうだよなあ。ストーリーってこういう感じで良いんだよなあ。

引き算でできているというか、こういう非言語的な状況でストーリーを転がしていくのってほんとすごいよなー。シーンによっては「そこ言葉なしでカスかな笑いで意図が本当に通じます?」って不安になりそうなところばっかりじゃん。でもそういう不安さえもきちんとコントロールして演出されているから、ストーリーの緊張感が半端ないというか……いやー、匠の技って感じだよなー。

っていうか、あー、女性監督なのか。こういう西部劇撮るのかー。カウボーイの抑圧された性的欲求、というのはまあ結構想像がついたけれども、こういう環境にいる女性の境遇をこういう風に描くのはなるほどって感じだなあ。そうだよなあこういう立ち位置の女性が酒に溺れてしまうというっていう状況はある意味安易で尻込みするけれども、そこに息子への愛情を繋げて見るとめちゃくちゃ納得感があるもんなあ。そしてあの女性側のアルコール依存の直接的な描写に対して、男性側の秘密の暴露の奥ゆかしさよ……いやあ……

あとはまあ中盤以降、計画を持ち始めてからの子供の変化がアレマジでヤバいね……序盤で男性コミュニティへの導入と見せかけて……という流れですくい取っておきながら、むしろ向こうが積極的に誘惑してくるあの流れ、いやー本当にちょっと色気にやられちゃいますよ。

なんつーか、全体的に適切な演出! という感じ。とても面白かったです