ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇

 

いままで見たメキシコものの中で一番やべーな……というかフィクションで見たあれやこれやがフィクションじゃない、というかむしろ現実の方がやべーというのをまざまざと見せつけられてショッキング。いやー、メキシコを舐めてましたわホント……エル・パソの国境を渡るシーンの印象がこれから全然変わっちゃうよこんなの……

色々印象深いシーンはあるんだけれども、音楽がここまで生活に密着しているとは思わなかった。「ブレイキング・バッド」で謎のメキシカンな音楽パートの度に「これって必要?」と思ってたんだけれども、あー、これははっきり必要なものだったんですね。ラップ・ヒップホップが対比するものとして言及されていたけれども、歌詞の内容含めて、文化的アイデンティティに音楽ってここまで密着するもんなんだなあ。

あとは、お墓の描写がすごいですね。かなり不謹慎だけれども、死者の住む町さえもエンタメの舞台にすぐできてしまえそう……そのくらい現実が現実離れしている感じ。直前で見た一般人の雑然としたお墓との対比も……ねえ。

っていうかさー、いちいち画が強すぎるんだよなあ。エピソードを繋ぐ合間合間のカットの説得力が強すぎる。夜の街並みだったり、イヌだったり、荷台に載ったミュージシャンの煽りのショットだったり、下手な映画なんかより全然すごい画がバンバン出てくるんだもん。こんなドラマティックなタイトルにしちゃう気分もわかる……