アイディアとか心意気はわかるし、これだけたっぷり時間をかけなければならないという考え方もわかるんだけれども、いやーしかしさすがにツラいなあ。この状況で話を展開させるなら「一体どんなバリエーションが生まれるの?」というのはひとつのポイントだと思うんだけれども、結局妄想に悩まされる主人公の内面世界に逃げ込んじゃって、いやあそれだったら何でもありだよなー、しかもそんなに感情移入もできないよなー、という感じ。
っていうかこれ、「死者の埋めた缶」によって仲間を救命できなかったという、すげえキツい現実が残される話だと思うんだけれども、それをあんな良い感じの音楽で終わらせちゃって良いのかしらねえ……いやまあ、あそこで足を失うことで自由になる、みたいないかにもマジカル・ニグロをやられてもまずい映画だとは思うけれどもね。
あとこれってどう考えてもアメリカの比喩として機能していなければならないと思うんだけれども、そこら辺の見せ方がわりと中途半端というか。52時間の極限状態であんな感じにハッピーになられていい話なのかなあ? あと最後、帰ってきたときに妻に対してこのポーズとるのって、本当に適切な行為なんだろうか? 全然納得がゆかん……