ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

博士と狂人

 

博士と狂人(字幕版)

博士と狂人(字幕版)

  • メル・ギブソン
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あまりにもタイトルが強くて思わず見てしまった。

いやー、面白い。最初はこの視点がどうやって結びつくんだろう? と思ってたら、サクッと辞書編纂で繋がったのには驚いたけれども、それがわりと話の枕という展開にはなかなか唸る。大英帝国の威光を背負った辞書編纂と、いかにも英国らしい監禁病棟でのヒューマニズムと、オックスフォードでの政治含めた権力逃走と……いやあ、コッテリしてますなあ。若きチャーチルまで出てきちゃってもー、歴史劇としてだけでも結構見応えありますよね。

PTSDを患って現実と虚構の混同に悩むショーン・ペンはもちろん熱演なんだけれども、未亡人役のナタリー・ドーマーもまあ難しい役どころをよくも……という感じ。このふたりの関係性に説得力があるからこそ、罪とか神への問いかけとかが真に迫って感じられるんだろうなーとは思う。

そしてそれらの物語を背後から支える「辞書編集」というモチーフはやっぱり強いよなあ。イギリスにおいては大英帝国の威光を示すみたいな役割があると同時に、神が与えたロゴスみたいな意味合いもあるからこそ、狂人側のドラマがああやって描かれるのかしら。しかし17世紀の用語の収集とか言っているけれども、英語の古語ってどのくらい今の言語と違っているのだろうか? 日本だとなかなか明治以前の文章って断絶されている感じがあるのでちょっと興味深い。

あと「舟を編む」でもあったけれども、言語は海に例えられるんだなあ……。