ダイ・アナザー・デイ

ピアース・ブロスナン

ライバルを立てつつ、ヒロインもふたり出して、007以外にも対立軸を作るというきっちりとした構成。いつもウネウネしがちなので、こういう構造があるとまあ安心感あるよね。ただまあ、安心感あるからといって面白いかというとそういうわけでもなく、もう少し敵役とか立たなかったのかなーとは思うけれども。せっかく久々にあんなトンチキな建物つくるマッドな大富豪みたいなポジションを作ったのだから、もう少しキャラが立ってても良かったんだけどなーとは思う。

しかしまあこういうオモシロ発明とか有り得ないアクションとかの流れはあったものの、CGがバリバリに見えると70年代のジェームスボンドのスタントに比べると明らかにテンションが落ちちゃうのはどーしようもないよなー。氷河が崩落してサーフィン、とかをがんばって絵にしちゃうその覚悟はわかるんだけれども、それはそれとしてさ……あんなにとんでもない建物を作るんだったら、吹き抜け系の美術はもう少しがんばって欲しかったし、ステルスカーも、うーん、もう少し活躍する場所は作ってあげられたんじゃないだろうか。

しかし多少は女性に対しての見方が改まったのかと思ったら、最後にＶＲでああいうことをさせちゃうのは、ホント何だかなーと思った。っていうかストーリー的に全くの蛇足なのがなー。そしてその後対比として美の象徴としてのハル・ベリーとボンドがイチャイチャしてるわけでしょ。いやー…