ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

「カルト」はすぐ隣に  オウムに引き寄せられた若者たち

 

いやー、自分がホスゲンガスで襲われて死にかけたことをサラッと書く江川紹子すげーなー。ジャーナリストとしてどこら辺がすごいのかというのあんまりよくわかってなく、なんか以前のTwitterで「にゃー」とか言ってた記憶しかないのだけれども、いやー、こりゃちょっと格が違うわねぇ。こんなんそりゃ、ネットの炎上くらいじゃびくともしないよなあ。でもって今も継続してまあ良い記事書きますよね。きちんと自分の経験を加味しつつ、若者向けに社会的意義のある本を書くとか、うーん、ちょっと株が上がりすぎだぜ……

内容的には、テロ事件の実行犯などが、どれだけ当たり前にどこにでもいる人間だったのかを説明しているわけだけれども、まあホント丁寧な仕事だよなあと言う感じ。その前にノストラダムスの大予言あたりから社会状況を書き起こして、世紀末の閉塞感みたいなところもちゃんと伝えていて、ほんと作品がどのように読まれるべきかを理解してる本だなーと思った。素晴らしい。っていうかオウムって80年代アメリカのスピリチュアルなブームからの流れでもあるんだなーみたいな風に頭の中でも流れを整理できて大変良かった。

しかしもう少し、カルトが具体的にどのような手口で人を引っ張り込んで、なぜ逃げられないのか……みたいなところに切迫感を感じたかったなあというのは正直ある。入ってからの葛藤みたいなのは大変共感できるんだけどなあ。大事なのは、入り口のところでどうやってズルズルとカルトに引きずり混まれていくかってところだと思うので。それとも入り口は、切迫感がないからこそ怖いものなのかしら……