なんか突然雰囲気が違いません? 導入からきちんと捻ってあるのとか、海中のアジトのデザインとか、全体の図式をいきなりきちんと提示するとか、なんかコレまでの007とちょっと格が違うぞ……というかんじのスタートでビックリしてしまう。BGMも控えめで、全体的に緊張感が半端ない。まあノッポとデブの殺し屋ふたりがやってきて、デブ側が即座に死んじゃうのにノッポ側が謎の生命力で生き延びたりするのとか、相変わらずよくわからんところもあるけど……
何より素晴らしいのは悪の目的設定だよなー。「ゴールドフィンガー」もそうだけれども、やっぱり悪役が何を目的に活動しているのかは一番重要なポイントだと思うんだけど、「核戦争を起こすことが目的」「なぜなら海中帝国を作りたいから」という思想のクレイジーさと論理性とそこから生み出される異常性は本当に素晴らしいと思う。いや、なんでこの話こんなにここら辺しっかりしてるんだろう。
一方で後半は明らかに着地に失敗してんなーという感じはすごくあり、XXXがあんな場当たり的に007に陥落しちゃっては「この話何だったの?」という感じはあるよなー。クライマックスのバタバタももう少しキャラを立ててやれたんじゃね? という感じはスゲーするし、すごく残念。
あと砂漠をスーツで歩く「慰めの報酬」はコレリスペクトだったのね。なるほど。