ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~

 

日本語の副題がビックリするほどダセーな。単に「サウンド・オブ・メタル」で良いじゃん。金属を通した音ってことでしょ?

いやー、大変見入ってしまったんだけれども、音が聞こえないってだけでこんなにも何気ない日常のシーンが吸引力になるとは思わなかったなー。全体的に様々音を上手く使った演出が成されていますが、人間聴覚を失うとメンタルに来るなーというのがエミュレーションできるみたいなところがあって、いやーとても説得力がありました。あの演出ひとつで、主人公が置かれた絶望的な立場を想像できるのは、映像作品ならではだよなーと思いました。

感動的なシーンがいくつかあって、なにはなくてもあの滑り台のシーン、本当に素晴らしいと思います。あとはねー、やっぱり当たり前だけど、それまでの日常でちょっとしたズレがあった後、ベッドでお互いが元には戻れないことを知るあのシーン、本当にね、いいですねー。ふたりがお互いにお互いを必要としていたこと、そして今は必要無い状態になっていることが、音を失うことによってわかるんだなー。なるほどなー。

あと宗教はやっぱり根深く関係しているんだなー。主人公たちは無宗教、というけれども、とにかく何の因果に基づいているかわからない試練としての失聴、というのはそりゃ確かに神に与えられた試練と解釈しちゃうようなものだもんな。