うーんあほくさい。
根本的なことを言うと、こんなんいくらでもどんでん返しは可能で、ラストでじいさんの方が「と、騙されていたという芝居を打っていただけでした!」みたいなことだってできるわけだ。大事なのはひっくり返すことではなく、ひっくり返したときにどんな驚きがあるかの方で、そういう意味ではうーん、全然なにもなかったなーという感じ。「あの時のアレはこういう意味だったのか!」「この時彼女はこんな風に思っていたのか!」みたいなのが全くない。大体こんなタイトルなんだから、ラストでそのくらいのひっくり返しがあっても驚くわけはなく……
ナチスなんて大仰なバックグラウンドまで持ち出すんだから、そこら辺にうまいこと意味合いを持ち出すのかなーと思ったら、普通に「隠蔽された過去」以外の意味合いは見いだせず、動機なんて別になんでも良いじゃん……ベッドへの誘いでもっとしっかり伏線張っておくとかさあ、色々やりようがあるじゃないですか。
やっぱりばあさん側が余りにもスマートに「獲物」を演じすぎてるんだと思うよ。じいさん側にそこまではっきりとドラマがあるわけでもなく……いやもちろん、本物の愛への葛藤がなくはなかったのかもしれないけどさあ……だったらそれを受けてのばあさん側のドラマまでちゃんと織り込んであげなきゃダメでしょ……