ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

東京湾諸島

 

東京湾諸島

東京湾諸島

  • 作者:加藤庸二
  • 発売日: 2016/10/25
  • メディア: 単行本
 

ガッツリしっかり学術の本ではなくて、図版も交えながら東京湾を一望して網羅的に東京湾の島を眺めてみる本。「東京は計画されて造られた都市」みたいな記述もあって、そんなに都市計画とかそっちの方に興味はない一なのかなーとか思ったのだった。いやもちろん埋め立てっていうのはかなり人間側の意志が関わるから計画は基本的に必要なわけだけれども、どっちかっつーと都市計画って地権者に対して公権力がどうやって介入していくかみたいな所が焦点になるイメージがあった。この本ではまっさらな海に新しく土地ができるところとか、あとそもそも江戸を徳川家康が開発するところとか、そこら辺がを念頭に置いてるんだろうなー。そういう意味では、やはり東京というのは若い土地と言えるのかもしれない。

それにしても、自分も東京近郊に住んでだいぶ経つけど、思った以上に東京湾の島々のことを知らないなーというのが感想。この本でもしばしば取り上げられているけれども、島というのは外界と隔絶された空間であるし、橋一本で渡れる場所でも、人々はその違いを意識して生活するのだなーというのが大変よくわかった。そうだよなー日比谷入り江の跡地を元々島だって考えて、空間的に区別するようなことはないものなー。

しかしこれ、これから地球温暖化で海面上昇はほぼ確実だから、埋め立て地って将来的にはだいぶヤバイよね。いや海抜でいうと墨田区とかの方がヤバいんだろうけどさー。こういうちょっと長いスパンで歴史を見ると、結構肌感のあるレベルでこれから未来のことを考えるものだなーと思った。