スティーヴン・ソダーバーグがB級っぽいホラーを描くとこーなるのか。なるほどなー。
「保険が出ている間は閉じ込める」という設定は確かに一瞬納得しかけてしまうけど、それって結構ビミョーというか、出たら訴えられて流石に負けるんじゃリスクが大きすぎるんじゃ……ということでかなり説得力がないよね。母親があのまま普通に行動して例えばネットにリークとかしたらそこそこ大変なことになっていただろうし……っつーか本気でアレをやるんだったら、だまし討ちせずに最初から同意を取って虚偽の入院させればWIN-WINなんじゃね?
というような点をごまかすためにかなり強引にストーカー要素を入れてるんだけれども、相変わらず強引さはごまかしきれないのがすごいよなー。見所は独房でのマンツーマンの話し合いで、ストーカーが決して傷つけたいと思っているわけでもないという微妙な距離感で、言葉の応酬が行われるのが大変スリリング。なんかいろいろ回りくどい設定ではあるけれども、あのシチュエーションは確かに怖く、あそこが見られただけで結構満足かなー。その後森の中で同じようなことを繰り返すのは流石に蛇足かなあ、と思ったけれど……
しかし精神病院ものの理不尽さはやっぱり面白いなー。ヒッチコックが好きだからってわけでもないけど、大きな組織によって人権が容易に蹂躙されてしまうのは大変メンタルに来る。