まーいろいろ面白いんだけれども、一番興奮したのはギンズバーグのくだりだったりする。いやー、ほんとあの人はアメリカの裁判の記録にガンガン顔を出す人なんだなーレジェンドなんだなーと溜息をついてしまった。
もう全く知識がないもので、アメリカの食品業界をフィリップモリスが買収して……みたいなことをやっていたのは全然知らなかった。というかこの本フィリップモリスの経営陣をべた褒めしすぎでビックリするわ。今は債務超過世界一とか言っているけど、むしろそっちの経営陣の話の方を知りたいよなー。
基本的にはマーケティングの話で、色々面白い発想はあるのだけれども、一番感心させられたのはコカコーラの話かなー。「特別な瞬間にコカコーラを忍ばせる」うおーまじかーこれが世界一のブランディングかーって感じ。目先の利益じゃなくて根っこにそういう哲学っぽいものがないと世界はとれないよねー。
しかしまあなんというか詰まるところ、自由競争に任せていては社会が破綻するので、きちんと政府が干渉しなければなりませんよ、という話であるよなー。自由競争は暴力的で、上手くいく神の見えざる手なんてものはなくて、きちんと社会を成立させるために理性を使って政治力を行使させましょう、という話。内部の人間が企業倫理を強く持とうとしても、ウォール街という欲望の地がそれを許さない、というのはもうめちゃくちゃ納得でありますよね。