なんかバカみたいに重要なことを繰り返して冗長なのは著者がテレビ出身だからなのかなー。もう少し構成とかスッキリさせて読ませて欲しいとは正直思う。同じ記述が繰り返されすぎでうんざりする。
がまあ、それをさっ引いても面白すぎる内容で、国語辞書に書かれていた言葉の何気ない解説の裏にはこういう意味があったのだ、というミステリ的な立て付けはもう素晴らしすぎる。「時点」のエピソードひとつでこれもう映画になるヤツじゃん! って感じ。こんなの良く見つけ出すもんだなー。
ふたりの辞書編纂者の生き様を対比させる構成は美しすぎるし、それがある一点で破綻したという事実もおいしすぎるし、またそれを周囲の人間の聞き取りから探っていくという構成も満点。度々挟まる言葉の解説はちょっと作りすぎ? と思わせたりもするけれども、まあそういうふたりの関係を反映したものであってほしいと思わせている時点でまあ勝ちだよね。勝ち。素晴らしい。
とかいうもののやっぱり根本にあるのは普段全然知る機会のない辞書作りに関わる人間の生活への興味で、見坊先生の生活を書いてるだけでもふつーに面白いもんなあ。辞書関係の本をもうちょっと読もうかと思っちゃいましたよホントに。